コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

海外・日本の投資規制について①

先日、新聞記事を整理していたところ、6月20日の日本経済新聞に「中国M&A阻止の動き」とうタイトルで外資による対内投資規制として、米国・欧州・日本の規制についてごく簡単に触れていました。

本年の6月株主総会の企業では、買収防衛策議案の反対率が2桁台とダントツで高かったようですが、買収防衛策継続の理由として日本の対内投資規制が弱いことを、明言しないまでも、実質的な理由にあげている企業も多いと思いますので、本日は、日本・海外の投資規制について、2回に分けて説明したいと思います。

まず米国ですが、米国では規制に関しては、対米外国投資委員会(CFIUS)があり、CFIUSは米国の国家安全保障に影響がある外資による米国企業の投資について、大統領に取引停止・中止命令の発動を促します。

CFIUSの申請をしないでM&Aがあった場合には、取引のクロージング後であっても大統領はM&Aを阻止することができます。対象になる取引は政治的動向により左右されることもあるようです。

2016年以降に中国企業による米国企業の買収において、大統領が取引の停止を求めた事例が数件ありますが、水面化ではこの2年間で数十件の取引を断念させてきたようです。2017年は、約20件の取引が事実上制限され、特に中国資本による米国企業への投資に厳しいといわれています。

なお、米国では、現在、CFIUSの権限許可の法案が昨年11月に両議院に提出され、現在審議中です。

改正は、最近の中国資本による米国企業への投資への懸念が背景にあるといわれており、米国のテクノロジー関連の領域、特にスタートアップ段階のベンチャー企業を保護することが狙いの1つとされているようで、現在は中止権限はあくまで大統領ですが、改正法では、CFIUS自体に中止権限を付与することなどが検討されている模様です。

このように米国では現在も強い規制があるところ、更なる規制に向けて動いているようです。

次にEUと日本ですが、これは纏めて次回、説明したいと思います。