中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

企業価値算定における余剰現預金の考え方(ブログに頂いたコメントの回答)

本日は年休取得で休みのため日中にブログを更新します。

先日、企業価値評価における現預金の算出基準についてコメント質問を頂きました。ありがとうございました。

ただ、この「はてなブログ」での返信の方法が未だによく分かりませんでしたので、コメントのご質問に対する返信という形でここで回答したいと思います。

DCF法で算出する場合には、将来の税引後フリーキャッシュフローをベースに算出した事業価値に非事業用資産として、現預金等を足すことになります。改訂コーポレートガバナンス・コードでは、政策保有株式の縮減が求められているので、投資有価証券もこれに加えることになると思います。念のため次の式になります。

企業価値=事業価値+非事業用資産(余剰現預金+投資有価証券)
株式価値=企業価値-有利子負債

この場合の余剰現預金をどう考えるかということですが、必ずしも確立された考えはないように思いますが、売上高の0.5%~2%を超える現金を余剰現預金と見なすという経験則があるといわれております(「企業価値評価実践編」(鈴木)より)。

また、「マッキンゼー&カンパニーでは、売上高の2%を上回る現金は全て余剰資金と見なすこもあり得るとされている」(「企業価値評価の実務」(プルータスコンサルティング)と書籍などには書かれています。

個人的には、余剰現預金は、個別企業によって捉え方は異なると思いますが、ざっくりとした簡易的な企業価値算定においては、売上高の2%を超える現預金を余剰現預金と見なすことでよいように考えております。

ブログの掲載記事につきましては、過去にもいくつか質問を頂いたことがあるのですが、このブログでの返信方法がよく分からず回答できておりませんでしたが、ブログに記事として書けばよいということに最近気付きましたので、頂いたコメントの回答は今後はブログになるべく掲載していきたいと思います。

何かあれば、遠慮なくご意見を頂ければと思います。