昨年7月に、経産省がコーポレート・ガバナンス・システム(以下「CGS」といいます)研究会を立ち上げ、2017年3月にCGSガイドラインを策定しましたが、コーポレートガバナンス改革を「形式から実質」へ深化させるべく、CGS研究会の第2期を経産省が立ち上げました。
中長期的な企業価値の向上を図るには、グループ全体としての経営戦略を描き、経営資源を適切に配分する事業ポートフォリオマネジメントを積極的に行うことが、これまで以上に重要になってくるというものです。
2017年12月8日にCGS研究会の第1回検討会を開催していますが、経産省のホームページにある配布資料の趣旨によれば、次の記述があります。
「グループを構成する事業ポートフォリオを最適化するための組み換えをいかに機動的に行うかといった『グループガバナンス』の在り方について、ベストプラクティスの検討を行うとともに、CGSのフォローアップを行う」
CGSのフォローアップとしては、CGSガイドラインを踏まえた、企業の取り組み状況の
フォローアップを行い、結果を公表するようです。来年1月にかけて上場企業2500社に対してアンケートを行うようです。
また、グループガバナンスに関しては、事業ポートフォリオの最適化を行うとあります。先日の内閣府が公表した新経済政策パッケージなどの動きを見ても、事業ポートフォリオの最適化は、最近頻繁に出るキーワードです。。
伊藤レポート2.0において、PBR(株価純資産倍率)の向上が今後の日本企業の課題との指摘があります。要するに、営業利益率の低迷している事業は、スピンアウトし、コア事業の更なる強化を図ることを税制面、コーポレートガバナンスの両面から企業に促すのが狙いのような気がします。
政策保有株式の売却・解消の促進の動きとあいまって、日本企業はコーポレートガバナンスの大きな見直しが今後迫られることになります。
CGS研究会の第1回検討会の議事録はまだ公表されていませんが、先日のブログで書いた新経済政策パッケージと併せて、CGSの動きは、ウォッチし、このブログにもサマリーを随時掲載して行きたいと思います。