コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

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株価の割安の判断指標(EV / EBITDA倍率、ネットキャッシュ / 時価総額比率)

前回、株価が割安か否かの判断基準として、 EV / EBITDA倍率、ネットキャッシュ / 時価総額比率について触れましたが、本日はそれについて簡単に説明いたします。

 

1.EV / EBITDA倍率(倍)(= EV ÷ EBITDA)

これはEV(Enterprise value = 企業価値)がEBITDAの何倍あるかを示すものです。EV(イー・ブイ)、つまり企業価値ですが、次の算定式で算出されます。

EV = 株式時価総額 + 有利子負債(デット)-現預金(キャッシュ)

   = 株式時価総額 - ネットデット

勿論、企業の中期経営計画からEVを算出するDCF法もありますが、上場企業の場合には、株式時価総額が1つの判断基準にもなりますので、上の式で算出されます。

次にEBITDA(イービッダー)とは、営業利益+減価償却費ですが、減価償却費はPL上の費用に計上されますが、実際にはキャッシュとして外に出ていかない費用ですので、本業での利益である営業利益に足し戻すことでEVITDAが本業(通常の営業活動)での利益となります。

これが低いということは、企業価値でこの会社を買収しても、短期間で投資金額を回収できるということです。

仮に企業価値が100億円、EBITDAが20億円とします。この会社を100億円で丸々買収しても5年で回収できるということになります。平均倍率は企業の属するセクターによって異なりますが、おおよそ7~8倍程度が全体の平均かと思います。EV / EBITDA倍率が同業他社に比べて低いということは、その企業の株式時価総額が低いということになります。

 

2.ネットキャッシュ / 株式時価総額(%)(= ネットキャッシュ ÷ 株式時価総額)

株式時価総額と比べてネットキャッシュがどの程度あるかという指標です。まず100%以上あるような企業は株価が割安といえます。

単純に考えると、株式時価総額が100億円の企業でネットキャッシュ(=現預金-有利子負債)が150億円の企業の場合、100%を超えますが( = 150 ÷ 100(%))、これはつまり100億円で買収して150億円のキャッシュを手にすることができます。結果、差し引き50億円を取得できることになります。これは、株価が割安に評価されているということになります。

100%を下回る場合でも、この比率が高い場合は、上に記載の算式からEVが小さいといことになりますので、本来の理論株価に比べて市場で株価が割安に評価されているといことになります。

これら以外に株価が割安かどうかを判断する指標はあるかと思いますが、代表的な指標について簡単ですが紹介いたしました。