コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

シンガポールの転職率が欧米を超える

8月18日の日経新聞の記事によれば、あるグローバル人材サービス会社の労働者意識調査の結果、「終身雇用の概念がなくなった」との回答について、ポルトガルが最多の86%で、次にシンガポール、香港などが続き、日本は米国と同水準の72%ということのようです。

同記事では、過去6ヶ月に転職した人の割合は、マレーシアとインドが最多で、シンガポール、香港が上位を占め、転職活動中の割合はインド、シンガポールがトップ2を占めたとのことのようです。

シンガポール現地法人で現地採用者が高い頻度で離職するということは、まわりでよく耳にしていましたが、シンガポールの転職率がグローバルで見てもトップに近い位置にあるということは知りませんでした。

日本企業でグローバル展開をしている企業は、現地法人では、役職なしの一般社員からマネージャークラスまで現地採用を進めていることも大変多いと思います。そして、本社でグローバル会議といった名称で現地採用者を日本での会議に招聘するケースも結構あるのではないでしょうか。本社のある日本での会議や場合によっては、他の国の地域での会議に参加させるということは、色々な意味で本来望ましいことではあるのですが、このように離職率が高いと少し考えるべき必要があります。

現地で採用した後に日本や米国でのグローバル会議に参加させた後、現地に戻って数ヶ月後に退職したという話も時々耳にします。そうすると会議への参加が単なる観光旅行にしかなりません。観光旅行のコストを企業が負担しているということです。

これは単なるコストだけの話ですが、より重大なのは、転職による機密情報の流出のリスクです。ローカル採用者は、本社採用の社員とは、雇用意識において根本的に異なるのであり、シンガポールなどの離職率の高い地域でのローカル社員には、情報流出に最大の注意を払う必要があるということで日本企業は、対策をあらめて考える必要があるのではないでしょうか。