コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

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書評:「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ダイヤモンド社)

本日は、ファイナンス関係の入門書について紹介させていただきます。そもそもこのブログでは読んだ本や参考になった雑誌なども当初書いていくつもりでしたが、これまで出来ていませんでしたので、はじめての書評となります。

ダイヤモンド社から2008年に出版された書籍で、「実況LIVE  企業ファイナンス入門講座」(保田隆明 著)というものがあります。著者は、リーマンブラザーズ証券、UBS証券投資銀行業務に従事してきた40代半ばの方です。私は、この本が出された直後に(10年近く前でしょうか)、知り合いの投資銀行の方に勧められ当時購入しました。

しかし、当時は、法務部に所属し、財務会計とは全く縁のない世界におり、当然ながら実務でファイナンスを使うこともなければ、有価証券報告書決算短信を読んで企業分析をするなどという経験もなかったので、最初の20ページほど読んで挫折し、そのまま書棚に眠っていましたが、昨日、夏季休暇ということもあり、書棚を整理していて出てきたので、久しぶりに読み直しました。。

今になると、実務でやっていることのおさらいで、さっと読めるのですが、この本はファイナンスの入門書として良書と思います。そもそも著者が2007年よりアカデミーヒルズで「はじめてのM&Aコーポレートファイナンス」というテーマで数回に亘って開催した講義をベースにしたもので、その講義が一般のビジネスマンを対象にした内容になっています。企業価値の算出方法、株主還元の考え方、資金調達といったテーマで基本的な事項が分かり易く書いてあります。

さっと読め、自分の知識の確認になり、またあらためて初歩的な事項の考え方が確認できたので、捨てずに保管しておいてよかったとあらためて思いました。著者は、比較的マスコミの露出も高い方で、この本を書く前に「M&A時代 企業価値の考え方」という本も書いています。個人的にはどちらも入門書としてはお勧めです。

ただし、入門書というタイトルの書籍によくありがちですが、「ROEとは?」「配当性向とは?」「PERとは?」といったように全く会計やファイナンスの知織がない人には、「入門講座」というタイトルにはなっていますが、理解は相当難しいと思います。実務でファイナンスに関わって日が浅い実務担当の方や企業価値評価やIR戦略などに今後関わることになる方など初心者の方が読むべき本と思います。

なお、ファイナンスの入門書ということですと、光文社新書から出ている「ざっくり分かるファイナンス」(石野雄一 著)なども分量が少ないわりに、資本コストの考え方、投資の判断基準などが簡潔に書いてあります。勿論、基本的な考え方であり、実際に実務上、分析をするにはもう少し知織が必要にはなるのですが、基礎を理解するという点ではこちらもお勧めかと個人的に思います。なお、こちらも前提知織がない方には、やはり理解は少し難しいと思います。

簡単になりますが、久しぶりにファイナンスの入門書が書棚から出てきたので、夏季休暇ということで時間もあり読んだので、私の個人的な感想を書かせて頂きました。

引き続き、読んで良書と思われるビジネス書などがあれば、ブログで簡単な書評を書いていきたいと思います。