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民事再生法と会社更生法(タカタの報道を受けて)

既に新聞などで大きく報道されていますが、エアバック等の自動車部品メーカーのタカタが民事再生法の適用申請を検討しているとのことです。

経営難に陥った企業の再生方法としては、法的には民事再生法会社更生法がありますが、この2つの制度の大まかな概要について簡単にポイントのみを説明したいと思います。

他に私的整理といって金融機関などの大口債権者と個別に協議して再生を図る手法もありますが、これは特にルールに則るものではないので説明は省略いたします。

結論からいいますと、民事再生法の方が再建を目指す会社の経営陣には有利ということになりますが、大きな違いは、次のとおりになります。


① 管財人の選任

民事再生法では、管財人を選任することなく会社の経営陣が主導的に再建にあたります。一方、会社更生法では、管財人が選任され、管財人が主導して再建にあたります。

② 再生計画の承認

 民事再生法では、再生計画について、債権者の人数の過半数(数の過半数)と債権額の合計の過半数(金額の過半数)の債権者の賛成を得る必要があります。一方、会社更生法では、金額の過半数の賛成で足りることになります。

要するに、会社が主導的に会社再建を進めるには、会社サイドは民事再生法を採用したいということになります。破産管財人とは裁判所が選任する弁護士になりますが、面倒な裁判所が絡むし、またそもそも管財人である弁護士は、当然ですがビジネスは素人ですので、再建についての手続が煩雑になるという点でデメリットがあります。

ただし、民事再生法は、債権者数の過半数の同意が必要になりますので、特定の大口債権者だけでなく、債権額の小さい債権者も含めた多くの同意を得る必要があるので、会社に都合のよい再生手法である代わりに、多くの債権者の了解を得なければなりません。

タカタのケースでは、今後再建計画を作成して債権者の承認という手続きを経ることになっていくと思いますが、債権者の承諾が得られない場合には、民事再生法を適用できないという事態もあり得ますので、今後どうなるのか関心のあるところです。