読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

経営企画担当の実務上の視点

東証1部上場企業で経営企画担当のマネージャー職にあるものです。経営・事業企画担当の立場から M&A、事業戦略、IR、戦略法務についてアカデミック+実務の視点からの気付いた点や考えることについて情報発信していきます。

社外取締役を目指してはいかがでしょう

コーポレートガバナンス・コードの影響もあり、社外取締役を複数選任する上場企業も多いと思います(なお、東証の要請があるのは当然のことながら上場企業であるため、非上場企業は社外取締役の設置は不要です)。

前々から社外取締役の報酬はいくらであるのか気になっていたのですが、少し前の日本経済新聞の報道で次のような報道がありました。


  100万円 ~    499万円  38%
  500万円 ~    999万円  36%
1000万円 ~ 1,499万円       14%

最多が100万円~499万円のレンジとのことで、一方、米国は2,000万円~3,000万円で欧州も1700万円とのことです。一方、三菱商事トヨタ自動車など超一流企業だと2,000万円とのようです。

これを多いと見るか少ないと見るかですが、社外取締役の業務として月1回で年間12回の取締役会の出席のみであれば、仮に500万円とすると約42万円/月となり、月1回1~2時間の出席と考えると時給にすると1時間20万円ですから大変多いですね。

知り合いのある外資系の投資銀行の方が勤務先の証券会社を退職して、現在数社の上場会社の社外取締役になったのですが、投資銀行というファイナンスのプロでなくても、役員になれない大手事業会社のサラリーマンは、他社で社外取締役を目指すのも1つの考えであるように思います。

大手企業、中堅企業を問わず、通常、役員になれない社員は50歳後半になると役職定年になり、それまでの部長・課長の肩書きがなくなり、さらには年収も3分の1、4分の1程度まで下がることがほとんどのケースです。年収が下がるのはやぬなしとしても、辛いのは肩書きがなくなり、指揮命令の権限がゼロになるので、社内での居場所もなくなります。

ここで考えるべきは、大手企業の部長クラスであれば、その会社では居場所はなくとも、それまでのノウハウや経験は中堅クラスでは貴重な財産になる可能性があるということです。

大手企業であれば、当たり前のこととしてなんら疑問に感じていないことでも、中堅企業では、出来ていないことが多いということを前職の証券会社勤務時代に知り合いの元銀行員に良く聞きました。この方は50歳で取引先に出向した方です。自分のキャリアをこれまでの勤務より小さい会社で活かせる場は沢山あるのです。その可能性の1つが社外取締役です。

ただし、大手事業会社の部長クラスと言っても、本を沢山執筆している、大学で客員教授をしてるなどの場合を除けば、世間では全くの無名の人です。毎日会社で仕事して、家に帰るだけという人生を送っている方に「是非うちの社外取締役に就任して下さい」などと言われることはまず100%有りえません。

とすると、何をすべきかですが、遅くとも40代後半には、積極的に自分のノウハウを情報発信し、中堅企業の社長・役員クラスとの交流の場を探し、自分の能力をアピールしてネットワークを早い段階から形成しておくことが大事になります。

50歳半ばを過ぎて、担当部長として、担当社員時代と何ら変わらず、一生懸命働く方もいるかと思いますが、その姿は、「真面目な人」という点では大変すばらしいとは思います。しかし、役員になれない以上は年収激減という人生最大のリスクが数年後にせまっているのであり、それを考えると真面目にコツコツ頑張るより、社外の有力者に自分を売り込み、「究極のゴール」として社外取締役に就任することを目指ことも大切と思います。

そもそも冷静に考えると40歳前後で同期の平均的な昇格より2年も遅れている人は確実に役員にはなれず、場合によっては部長にもなれません。人によっては40歳前半から社外にも一定程度の目を向けて活動をしてネットワークを構築していけば、大手企業には勤務しているものの、残念な思いのまま定年を迎えるより、同期より高収入を得ることが出来る可能性もあるかも知れません。

いずれにせよ、自社にいればただのシルバー人材になってしまうところ、知恵を絞って常に高いアンテナをはって社外に目を向けて行動をすれば、中堅上場企業で社外取締役に就任して、それが更なるネットワークの拡大につながり、定年後も大いに活躍できる可能性もあるのではないでしょうか。