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経営企画担当の実務上の視点

東証1部上場企業で経営企画担当のマネージャー職にあるものです。経営・事業企画担当の立場から M&A、事業戦略、IR、戦略法務についてアカデミック+実務の視点からの気付いた点や考えることについて情報発信していきます。

基本的な会計・株式指標について③:PER(株価収益率)

企業分析

前回のPBR(株価純資産倍率)に続いて、PER(株価収益率)について書きたいと思います。

PERは、次の算式で算出されます

PER=株価÷1株当たり当期純利益(株式時価総額÷当期純利益

当期純利益とは損益計算書(PL)の最後の項目にある数値で、税引前利益から税金を控除した最終利益になります。厳密には、連結子会社のある会社は日本会計基準では連結PL上は、当期純利益の後に非支配株主に帰属する当期純利益(連結子会社の少数株主に帰属する分)と親会社に帰属する当期純利益にさらに分かれますが、PER計算の分母に使う純利益は、「親会社に帰属する当期純利益」を使います。

PERはある企業の株式を購入した時に何年でペイできるかの指標といわれています。

分かりやすく数値をあげて説明しますと、例えば株式太郎さんが100円でA社の株式1株を購入したとしてこのA社が1株当たり10円の配当を実施しているとします。

とするとPERは10倍(=100円÷10円)ですね。これはどういうことを意味するかといいますと、株式太郎さんはA社から配当として毎年10円を受け取ることが出来ます。つまり株式太郎さんは10年で100円の投資額を回収できるということになります。PER10倍とは、その会社からの10年の期間の配当で株式取得額100円を回収できるということを示しています。

この10年が長いかどうかは、業界によって、また投資する方がどう考えるかによって異なりますが、ある業界ではPER平均が20倍とすると、この会社の10倍はだいぶ割安ですし(同業は20年で回収できるところA社に投資した場合10年で回収できる)、もしこの会社のPERが20倍を超える場合には、割高といえます。

また、企業を買収するような場合に、対象会社の時価総額が500億円で当期純利益が50億円となるとPERは10倍になり、仮に500億円で買収したとしますと(実際にはプレミアムをつけてもう少し高い価格になりますが)、買収後の会社の当期純利益の10年(100%配当で全額買収者の手に入るとします)で買収の投資額を回収できるというのもこの考えと同じです。

先日、新聞報道を見たところ、2017年1月8日時点では、日経平均株価採用銘柄の予想PERは15.63倍で2ヵ月ぶりの低い水準とのことでした。企業各社が業績を上方修正していることによるものとのことですが、業績を上方修正した結果、当期純利益が増加するのでPER算定の分母の数値が上がるためPERが低下しているということですね。分子である株式時価総額も上がればPERは低下しないのですが、平たくいいますと株式相場は好調でないということかと思います。

なお、米ダウ工業株30種平均は、PERが約17倍とのことでした。大統領選挙後に上昇しているということです。ちなみに米ダウ工業株30種とは、ダウ平均、NYダウとも呼ばれ米国の代表的な株価指数です。

米国を代表する主要業種の優良な30銘柄を選出して指数化したもので、ニューヨーク株式市場の重要な株価指標(インデックス)になります。この30銘柄に何が含まれているかまでは良く理解していなかったので、ネットで調べたところ、アップル、ボーイングキャタピラー、デュポン、インテルファイザーエクソンモービルファイザー、ゴールドマンサックス、ウォルト・ディズニーなど米国を代表する大企業が入っているようです。

いずれも多くの方が知っているアメリカを代表する有名企業ですね。業種としては、重機、化学、半導体、石油等の産業の中心になる業種ですが、娯楽ということでウォルト・ディズニーも入っていることで、個人的には少し意外な印象を持ちました。

日本では、娯楽産業に属する企業の位置づけは産業界の中では高くないと思いますが、たしかにディズニーは米国を中心に世界で活躍する企業ということで娯楽産業とは言え国の産業の根幹になっているのかも知れませんね。