中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

ESG投資

企業のESGの取組み ー 開示義務のない非上場企業への売却で闇に

本日は連休最終日ですが、昨日、「SDGsの先へ ステークホルダー資本主義 (インターナショナル新書)」という本を読みました。「経済は全てを癒す」という私有財産制の在り方に疑問を投げかけ、最近のESGの動きについて20年前の動きから整理してポイント…

物言う株主が気候変動に照準 ー 浦島太郎はNGですが、過度に頑張り過ぎるのもNGです

本日は週1回のテレワークの日にしたのですが、予想に反して朝から作業に追われる1日でした。じっくり資料と本を読み(プラス、株式相場のウォッチ)、今後の業務の企画をする予定でテレワークにしたのですが、朝から細かい事務作業や人との頻繁なコミュ二…

企業規制の仕組みはハードローからソフトローに変化しています ー ESGの取組みはソフトロー

本日の日経平均株価の終値は前日比591円安の28,508円でした。2日連続で大きく下げています。株を買うのに絶好の機会かと思います。企業のファンダメンタルズに変化がない中にあっては、「大きく売られたら買い」というのは中長期投資の鉄則かと思っ…

最近の機関投資家の関心事項 - 企業が留意すべき点(続き)

昨日、最近の機関投資家の関心が強い事項を紹介しましたが、1つ忘れておりました点があります。それは買収防衛策の廃止への機関投資家の関心度合いが1年前に比べて格段に強くなっているような印象を受けます。 理由は単純でアセットオーナーの買収防衛策に…

最近の機関投資家の関心事項 - 企業が留意すべき点

1月の正月明けから2月初旬まで仕事が多忙を極め、ブログにじっくり記事を掲載する時間がないのですが、本日は簡単に、機関投資家とのディスカッションを通じて私が感じる機関投資家の関心事項と企業が今後留意すべき事項について触れたいと思います。 1つ…

ブラックエレファント(黒い象)とESG(環境・社会・企業統治)

11月30日の日経新聞の1面に「『黒い象』向き合う株主」というタイトルで大きく記事が出ていました。「黒い象」(ブラックエレファント)という言葉は私ははじめて聞いたのですが、記事によれば、いつかは起きるが明白な問題を放置し、結果、大きな被害…

東京ドームの臨時株主総会での投資ファンドの株主提案にISSが賛成推奨 - 株価が同業他社より大きく低迷している企業は今後要注意です

本日の日経新聞に東京ドームの臨時株主総会に香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが取締役の解任提案をしたことに対して、議決権行使助言会社のISSが株主提案に賛成したとの記事がありました。 12月3日に東京ドームが「当社臨時株主総会の…

買収防衛策の導入・継続に向けて⑥ - 非継続とする場合の重要なポイント

本日は約20日ぶりにテレワークでしたので、定時で仕事を切り上げました。コロナワクチンの海外での承認を背景に日経平均株価が上昇し、本日の終値は26,809円で、来年半ばにかけ30,000円台に向かうという声も聞こえています。 過熱感もあるので、…

買収防衛策の導入・継続に向けて ⑤ - 国内機関投資家が賛成するためのポイント(続き)

前回は第4回目ということで国内機関投資家が総会の買収防衛策議案に賛成するための形式的要件について紹介するとともに、形式的要件以外に注意すべき事項があることを紹介しましたが、本日はこの注意すべき事項について説明したいと思います。 買収防衛策を…

買収防衛策の導入・継続に向けて④ - 国内機関投資家が賛成するためのポイント

前回は第3回目として買収防衛策について株主総会で国内機関投資家の賛成を得るための手続について、次のとおり紹介いたしました。 本日は第4回目として、買収防衛策議案が機関投資家の賛成を得るための買収防衛策スキームの留意点について大きな観点から説…

ROEやROIC等の経営指標の目標値の有報での開示が一般的になりつつあります

本日は買収防衛策の導入・継続についての第4回目を書く予定にしていたのですが、新聞を整理する中で他に書きたい事項が出てきたので、買収防衛策は週明け前半に書きたいと思います。 11月26日の日経新聞に有価証券報告書(有報)でROEやROICの実…

味の素が指名委員会等設置会社に移行 ー 取締役会は今後何を議論する場になるのか投資家は関心を持ちます

昨日の日経新聞でも報道がありましたが、味の素が指名委員会等設置会社に移行します。定款変更が必要になるため、移行時間は来年の定時株主総会終結の時です。 11月26日の味の素のプレスリリースに「移行の背景・目的」として次の記載があります。 1)…

サンセイ(6307)と光通信の攻防(4)ーサンセイが取締役会評価期間一部訂正

サンセイが取締役会評価期間の開始をすることを公表していましたが、11月26日に評価期間の一部訂正を公表しました。評価期間60日としていたところを誤りがあり、90日に訂正したということで、プレスリリースからの該当箇所を一部抜粋すると次のとお…

サンセイ(6307)と光通信の攻防(3) - サンセイの取締役会評価期間の開始

サンセイと光通信の攻防について、次の記事のとおり光通信がサンセイより追加情報を受領したことを書きました。 本日11月26日にサンセイは取締役会評価期間の検討を開始したことを公表しました。前回のブログでも書いたように、取締役役会で対抗措置の発…

エムビーエス(1401)が建設コンサル大手のパシフィックコンサルタンツと5度目の業務提携を更新

国土強靭化関連銘柄の1つにエムビーエス(1401)があります。独自研磨法と特殊コーティングでの外装リフォーム会社で、直近のブログは次のとおりです。 同社はスケルトン工法という技術を用いて、トンネルや高速道路の強化を行う事業を行っている小型銘…

買収防衛策の導入・継続に向けて③ - 国内機関投資家の賛成確保に向けての進め方

本日は買収防衛策の導入・継続に向けての第3回目になります。前回は、買収防衛策の導入には株主総会の承認(普通決議)が必要になるところ、外国人株主の賛成は期待できないため、「国内機関投資家の賛成を得ることが肝」ということを書きました。前回の内…

ストラテジックキャピタルによるTOBに対して京阪神ビルは反対を表明

アクティビストのストラテジックキャピタルが京阪神ビルディングに対してTOBをしかけており、前にブログで、政策保有株主はこのTOBに応募しない場合には合理的な理由を準備しておく必要があることを次のとおり書いております、 本日の日経新聞によれば…

サンセイ(5307)と光通信の攻防(2)- 光通信が追加情報をサンセイに提供

サンセイと光通信の攻防について、先日次のとおりブログに掲載したように11月10日にサンセイは光通信に必要情報の追加提供を要請しています。 これに対して、11月17日にサンセイは光通信から追加情報リストに対する回答書を受け取ったことを公表しま…

コーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた議論 - 金融庁のフォローアップ会議が11/18に開催されました

コーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた金融庁のフォローアップ会議が昨日開催されました。その前は10月20日に開催され、その時の内容は前に次のとおりブログで紹介させていただきました。 昨日の会議では、前回の会議での各委員からの意見と今後…

買収防衛策の導入・継続に向けて②- まずは自社の株主構成を見る

前回、買収防衛策の導入・継続に向けての第1回ということで、議決権行使助言会社であるISSの買収防衛策の議決権行使基準について、次のとおり紹介しました。 来年の定時株主総会の時期も近づいてきましたので、来年に買収防衛策の更新期限を迎える企業、…

ESG投資に逆風ー米国のエリサ法の新規則案

8月19日の日経新聞に「米年金、ESG投資に逆風」という見出しの記事がありました。米国で企業年金の受託者責任については、エリサ法で定められているのですが、エリサ法の新規則案が、「年金運用では金銭的な利益のみを考慮すべき」として、ESG投資…

ESG投資が日本でも増える可能性

先日の報道によれば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がESG投資の運用を開始し、6月末までに約1兆円をESG銘柄に投資するとのことです。 GPIFは日本国内株式を約30兆円保有しており、これまで大部分を東証株価指数(TOPIX)で運用してきましたが、今…