中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

コーポレートガバナンス

上場子会社の解消が進む可能性大ですね - 企業統治に関する情報開示の拡充

上場親会社は今後、開示要請事項が増えますね。来年の株主総会に向けて上場親会社の株主にとっては総会での質問の手持ち材料にもなります。noteに記事を掲載しましたので、ご関心のある方はご覧頂ければと思います。 note.com

「社長、株主資本コストはいくらと認識していますか?」 ー 個人投資家・株主は企業に是非質問しましょう!

株主資本コストという言葉を聞くことは最近多いですね。数年前までは、投資銀行などの方が企業価値算定でDCF法を使用する際などのプロフェッショナルな場面でしか聞くことはありませんでしたが、この1~2年で一般の事業会社の方も良く使うようになりま…

人的資本の開示のポイントは? ー 機関投資家が本当に知りたいのは、女性管理職比率などの些末な情報ではないです

昨日が祝日のため、今週は1週間が早いですね。本日の日経新聞の社説は、「企業は資本コストへの意識を研ぎ澄ませ」というタイトルでした。良いタイトルですね。ROEも良いですが、企業のIR部門は株主資本コストをいかに低減するかという努力も大事です…

コーポレートガバナンス とは? ー 社外取が本当に過半数も必要か?

今週も暑い日がつづきますね。最近、お笑い芸人のヒロシのぼっちキャンプを時々見ています。私は出身が地方の田舎町ですが、最近、自然の中でキャンプをすることに強い憧れを感じおり、今年は家族を置いて1人でキャンプをしてみようかなと思案中です。 さて…

コーポレートガバナンスとは? ー 社外取の質が大事になります

多くの日本の上場企業ではこの数年で3分の1以上の社外取の条件はクリアするようになってきましたが、人数の基準をクリアしていれば問題はないのでしょうか? ということで前回、記事を書きました。 今回はこの続きで、社外取は数だけでなく、質が大事なの…

コーポレートガバナンスとは? ー 社外取の活用について

コーポレートガバナンス・コードでは、「企業の稼ぐ力を高める」には社長をトップとしたピラミッドの枠外にある社外取締役を活用しようとしており、その社外取締役の機能をより発揮するためにはどういうことをコーポレートガバナンス・コードは求めているの…

コーポレートガバナンスとは? ー 企業の稼ぐ力を高める手段は?

今週は月曜日から夏季休暇で、本日、旅行先から東京に戻りました。長野県の蓼科に3泊4日の旅行で、北八ヶ岳などを車で訪れましたが、涼しくて楽しい夏休みでした。 東京に戻り、東京の住民の住宅事情を蓼科の家々とあらためて比較すると東京の庶民(勿論、…

コーポレートガバナンスとは?ー目指すところは何でしょうか

上場企業で働く方であればコーポレートガバナンスという言葉は社内でも耳にするかと思います。けど、コーポレートガバナンスの意味、というか趣旨は、ほとんどの方が理解していなのでは?と思います。社内の財務部門やIR部門の方なども本質的なところは分…

京セラがISS社への反論を掲載 ー 政策保有株式の保有の合理性を機関投資家に説明する際のポイントは? 

先週新聞報道もありましたが、議決権行使助言会社のISS社が京セラの社長選任議案に対して反対推奨を出していますが、これに対して京セラが反論のプレスリリースを次のとおり公表しています。 https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/230607_letter.pdf I…

次期トップの後継者計画(サクセッションプラン)は課題大ですね ー コンプライしている企業の株主総会で質問すると面白いかと

本日の日経新聞で「後継者計画、議論56%どまり」というタイトルで次の記事が掲載されていました。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC226G60S3A520C2000000/ 後継者計画とは経営トップの後継者の育成をどう計画立てているかで、サクセッションプラ…

シダックスが昨年のTOBを巡る調査委員会の調査報告書を公表

明日は久しぶりに国内出張で長野県です。長野は家族旅行で軽井沢に2~3回行ったことしかありませんが、空気の綺麗なところであり楽しみです。話は変わりますが、本日はある海外の機関投資家の日本株担当の方とエンゲージメントをしたのですが、人的資本等…

(5/28に補足を最後に追加しました)グラスルイスがトヨタ自動車の会長選任議案に反対推奨 ー この情報の見方は?

本日は、四季報オンラインでPBR1倍割れ、株主資本比率70%以上などの複数の条件で銘柄を検索して、今後の投資候補先を探索する作業を開始しました。しかし、ヒットした銘柄が140銘柄以上あり、さすがに1つずつ確認すると疲れます。他にやりたいこ…

東証要請の株主と企業との対話で開示すべき事項は? ー 決算説明会などのQAでは不十分です

東証が「株主との対話の推進と対話」を少し前に次のとおり公表しており、3月31日のブログでも触れましたが(最後に再掲します)、これについて何社か開示をしている企業が出てきましたね。 https://www.jpx.co.jp/news/1020/cg27su000000427f-att/cg27su0…

【前回の補足になります】個人株主のための株主総会での企業価値向上の質問事項②ー 取締役会での討議内容の詳細、社外取締役からの具体的な意見等は?

今週は仕事が忙しく、ブログを更新したり、じっくりと新聞を読んで情報収集する時間がなかなかとれません。金融庁のフォローアップ会議の議事録も公表され、じっくり読みたいのですが、先週から仕事でひたすらアウトプットに取り組んでおり、週末に色々と纏…

【決算説明会資料の読み方】PBR向上に向けた施策の開示 ー 長期の株価向上のためには自社株買いだけでは効果が小です

上場企業各社の通期決算が本格化してきました。東証からの要請である株価向上に向けた施策についても今回の通期決算のタイミングで開示する企業が多いのかなと思っており、自分の仕事とも大いに関係があるので、本日から日経新聞に掲載された主要企業、特に…

敵対的買収に対する最大の防衛策は普段からの開示と株主との対話の充実につきます ー 敵対的買収への備え

ゴールデンウィークの連休まで残すところ約1週間程度になりました。連休中は、保有銘柄の本決算後に各銘柄のIR部門へ質問するための準備作業をする予定です。東証の株価を意識した経営への計画策定・開示など企業への質問事項は盛り沢山です。今年は、コ…

安定株主の投資先企業への議決権行使の透明性が今後求められるか? ー 議決権行使結果の個別開示

本日はアマゾンで本を注文しました。中長期投資をする方はご存じの方も多いかと思いますが、「投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識」です。著者は、世界最大級の投資運用会社「オークツリー・キャピタル・マネジメント」の共同創業…

男性育休率の積極的な開示 ー 数字の開示と併せて企業が考えるべき大事なことは?

私が中長期で投資するある中小型銘柄があるのですが、この企業にはここ2年、最近のコーポレートガバナンスの動向を踏まえて積極的な提案や質問をIR部門にしているのですが、その影響もあってかどうかは分かりませんが、この企業の開示がこの1年でかなり…

経営トップの報酬の業績連動部分 ー 機関投資家の満足する割合は?

本日は祝日ですが、2月は仕事が多忙のため、本日は平日に全く出来ていなかった雑務の業務をさばいています。本業に直接関係のない社内雑務って結構ありますが、最近この手の社内雑務への意識が著しく低下し、近い将来の副業に直結する知識習得・経験蓄積(…

非財務情報としての人的資本の考え方 ー 機関投資家が注目している大事なことは?

中長期での投資を志向する機関投資家にとって企業の非財務情報は関心の高いところかと思いますが、その中での最近のホットな話題の1つに人的資本があります。内閣官房が人的資本可視化指針を公表しているところでもあります。 これを受けて企業は人的資本の…

キューピーが事前警告型の買収防衛策を非継続

銀行、証券会社は30日まで仕事の方も多いと思いますが、それ以外の業種の方は本日が仕事納めという方も多いのではないでしょうか。私の場合は本日が仕事納めです。年末の社内の忘年会もこの数年開催しておらず(会社の方針です)、社外の方も交えてのオフ…

損保が政策保有株式の売却を加速 ー 政策保有株式は何故だめなのか?

本日は四季報オンラインデータが新春号に更新されました。本日から週末にかけて、時間を見つけては、各銘柄の四季報データを読み込む予定です。中小型銘柄の場合、IRの情報開示が十分でない企業が多いので、四季報データの最新内容を把握し、決算説明会資…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第15回)ー社外取との面談の要請

今週の日経ビジネスに「ボード3.0の時代」というタイトルの記事がありました。社外取の役割を再考するということです。社外取に求める役割も変化していますね。 今回は、第15回ということで、社外取との面談要請について書いてみたいと思います。前回の第…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第14回) ー 取締役会の実効性評価の大事な点は?

昨日の日経新聞に投資ファンドの3Dインベストメントがサッポロホールディングスの社外取に改革主導を果たすことを求める書簡を送付したとの記事がありました。社外取と投資家との面談はコーポレートガバナンスの流れに沿ったものでありますので、何ら違和…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第14回) ー 取締役会の実効性評価。投資家の満足する手法は?

本日は、久しぶりに物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方を書きたいと思います。前回、第13回を書いてからだいぶ日が空いてしまいましたが(参考までに前回と前々回を最後に再掲しています!)、11月に入り…

政策保有株式の縮減は企業にとって困るのでしょうか?

10月16日の日本経済新聞に政策保有株式に関して次の記事が掲載されていました。 政策保有株の売却2.3兆円、東証再編で最大に 22年3月期: 日本経済新聞 2018年のコーポレートガバナンス・コードの改訂により、上場企業各社では政策保有株式の縮減が進…

社外取締役のメッセージの発信はどういう態様が良いでしょうか?

本日はブログの文字の形態を変えてみました。他の方のブログを見ると、太字に黄色やピンクのハイライトが付されており、見やすいなと前から思っていたので、ネットでやり方を調べて変えてみました。これまでは、強調すべき箇所は太字だけでしたが、太字の箇…

社外取締役からのメッセージを機関投資家は期待しています!

先日、敵対的買収における社外取締役(以下、社外取といいます)の役割について書きましたが、今回も引き続き、社外取について書きたいと思います。 その前に1つ。「ブログの文章をがかたいですね」「専門的な知識がないと難しいところが時々ある」という指…

敵対的買収において社外取締役の持つべき視点

昨日の日経新聞朝刊の社説に「企業は敵対的買収から逃げず価値向上」というタイトルの次の記事が掲載されていました。 [社説]企業は敵対的買収から逃げず価値向上を: 日本経済新聞 最近は敵対的買収の案件が増えており、新聞記事にも書かれているとおり経…

中小型株の上場企業の企業統治の規律 ー 個人投資家の出番です!

本日は、経済産業省が本年7月19日に公表した改訂CGSガイドラインを読み込みました。多くの企業の来年6月の定時株主総会での株主提案を考え、9月はアクティビスト(物言う株主)が株式を取得する時期かと思います。そして、10月以降は、投資先企業…