コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

米国の議決権行使助言会社であるグラスルイスの取締役会の多様性に関する要求

1月8日付の日本経済新聞で米国の議決権行使助言会社であるISSジャパンの日本法人代表の石田猛行氏とグラスルイスのシニアディレクターである上野直子氏の企業の取締役会の多様性に対するコメント記事が掲載されていました。 議決権行使助言会社とは、株主総…

株主資本コストの意識の重要性

先日の日本経済新聞で、株主資本コストの意識に関するKPMGの企業への意識に係る調査結果の記事がありました。 この記事によれば、資本コストを意識している企業は4社に1社で、企業の資本コストに対する意識は希薄で、資本コストを巡り企業と投資家の間で意…

2017年のグローバルでの新規株式公開に関連する数値

2018年1月3日の日本経済新聞で、2017年の世界の新規株式公開(IPO)が10年ぶりに高水準であったとの記事がありました。 マクロの数値は、常にアップデートをし、なるべく頭に入れておくことが重要であるということは周知のとおりですが、今回は、この記事…

企業の環境・社会問題に対する機関投資家目線での考え方

年末を迎えるに当たり、これまでに切り取った新聞記事を整理していましたが、11月30日の日本経済新聞に、本年5月に米エクソンモービルの株主総会で、「気候変動規制の業績への影響を詳しく開示せよ」との株主提案があり、この議案への賛成率が60%を超えたと…

企業の資金調達手段としてのグリーンボンド

グリーンボンドという言葉は最近時々みかけますが、聞いたことはありますでしょうか。 ボンドとは社債のことで、グリーンボンドとは日本語というと環境債といいます。社債とは企業の資金調達手法の1つですが、グリーンボンドとは、環境へ配慮した事業に資金…

米ブラックロックのラリー・フィンク会長のコメント

12月20日付の日本経済新聞の記事に米ブラックロックのラリー・フィンク会長のコメントがありました。 ブラックロックは、運用資産670兆円のうち、日本企業株式は26兆円を保有しておりますが、日本経済新聞でのラリー氏の発言をピックアップしますと次のとお…

経産省CGS研究会がスタート

昨年7月に、経産省がコーポレート・ガバナンス・システム(以下「CGS」といいます)研究会を立ち上げ、2017年3月にCGSガイドラインを策定しましたが、コーポレートガバナンス改革を「形式から実質」へ深化させるべく、CGS研究会の第2期を経産省が立ち上げま…

「新しい経済政策パッケージ」の下での政策保有株式の解消の予想

先日、「新しい経済政策パッケージ」についてブログで簡単に触れましたが、本年12月8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」の全文について確認をしました。 人づくり革命、生産性革命の2つに大きく分かれていますが、生産性革命について少し触れ…

政府による投資家と企業の対話の重点項目の策定

12月5日の日本経済新聞に政府がまとめた新しい経済政策パッケージの項目が掲載されていました。 人づくり改革、高等教育、生産性革命とのタイトルがありましたが、ガバナンス関係では、企業のコーポレートガバナンス改革に向けた指針や投資家と企業との対話…

更新期限到来前の買収防衛策の廃止が今後増える可能性

2017年12月6日に日清食品ホールディングスが買収防衛策を取締役会の決議により廃止することを決定したとのプレスリリースを開示しました。 同社では、2007年に買収防衛策を株主総会の承認を得て導入、以後3年毎に株主総会の承認を得て更新し、直近では2016…

対米外国投資規制の強化の動き - 中国企業の日本企業への投資の関心の高まり

先日の新聞報道で対米外国投資規制が強くなるとの記事がありましたので、今回は、米国企業に対する海外企業による直接投資について少し触れてみたいと思います。 米国では、対米外国投資委員会(CFIUS)という委員会があり、国家安全保障・経済安全保障の見…

資本コストと株式時価総額への意識が今後一段と求められます - 伊籐邦雄教授の対話記事から

1月23日付けの日本経済新聞で伊籐レポート2.0をまとめた一橋大学の伊籐邦雄教授の日本経済新聞の記者との対話形式の記事がありました。要点だけ書きますと次のような内容です。 1.ROE8%を日本企業は超えたが、これは売上高利益率が改善したことが要因。次…

東芝の第三者割当増資と物言う株主の勢ぞろい

話題になっている東芝の増資に関して、先日、東芝の第三者割当増資の割当先が発表されました。 第三者割当増資とは、特定の既存株主に対して、新株を発行することです。これにより、バランスシートの資産の部の現金・預金が増え、これとバランスする形で純資…

政策保有株式の保有の合理性の開示の動き

11月6日の日本経済新聞に、「政策保有株の透明性確保へ 金融庁が開示巡り議論」とのタイトルがありました。 金融庁は企業統治関連の会議で政策保有株の透明性を高める施策について議論をしたようです。新聞記事では、政策保有株式は経営者の地位の安定に資す…

企業年金連合会と大手金融機関4社による集団的エンゲージメント(対話)の開始

企業年金連合会と三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行、三井住友アセットマネジメントが共同での企業とのエンゲージメント(日本語では「対話」といいます)を行うことになり、企業統治の改善などを求め、連名での書簡を年内にも投資先に送るとの…

P&Gの事例に見るアクティビストの提案と個人株主対策を考えることの重要性

11月6日の日本経済新聞の「経営の視点」において、「P&Gに求めたのは」とのタイトルでP&Gに対して米国ファンドが役員受入の提案をしたものの、結果として、本年10月の株主総会でアクティビストの提案が退かれたことについて記事がありました。株主提案が退か…

企業に埋もれた知的財産の有効活用策の検討会議

先日の新聞報道によれば、内閣府は、企業に埋もれた知的財産の有効活用策を検討するための産学連携の会議を11月16日に新設するとのことです。 先日のブログでは、この連休中に伊藤レポート2.0を読むと書きましたが、この記事も少しだけ気になりましたので、…

伊藤レポート2.0が公表

経産省より10月26日に「伊藤レポート2.0」が公表されました。以前にもブログで書きましたが、2014年に公表された一橋大学教授の伊藤氏のレポート(伊藤レポート)の第2弾になります。 経産省のホームページからレポートの紹介のページを読みますと、要する…

ISSが議決権行使ポリシーの改定案を公表

2017年10月26日にISS(議決権行使助言会社)が株主総会での議決権行使ポリシーの改定案を公表しました。 内容は2点で次のとおりです。 1.指名委員会等設置会社および監査委員会設置会社の取締役会構成要件の厳格化・ 社外取締役(独立性問わない)が1/3未…

ガバナンス改革-独立取締役の会の提言

10月16日の日本経済新聞で、「独立取締役の会」が独自のガバナンス改革案を纏めたとの記事が掲載されていました。 旭化成、IHI、旭硝子、伊藤忠商事などの大手企業の元経営トップのメンバーを中心に構成される昨年秋に結成された会のようです。主要メンバー…

書評:「企業価値を創造する会計指標入門」(ダイヤモンド社)

だいぶ以前に書評をブログに掲載しましたが、久しぶりに会計・ファイナンス関連の書籍について書いてみたいと思います。 「企業価値を創造する会計指標入門」(ダイヤモンド社 )という書籍があります。 少し古いのですが2005年に発行された書籍です。著者は…

内田洋行の株主総会での株主提案議案の賛成率

前回のブログで、10月14日(土)開催の内田洋行の定時株主総会においてストラテジックキャピタルの株主提案が否決されたことを書きましたが、定時株主総会での議決権行使結果(議案の賛成率)について、10月18日に内田洋行の臨時報告書が開示されました。 株…

内田洋行に対する株主提案の結果から考える個人株主対策の必要性

投資ファンドのストラテジックキャピタルが内田洋行の本年の株主総会において定款変更等の株主提案を出しており、先日、10月14日(土)に株主総会が開催されました(内田洋行は7月決算)。 内田洋行のホームページを見ますと、会社提案が可決され、株主提案は…

米国名門企業がアクティビストの標的になっている

10月12日の日本経済新聞で「物言う株主 名門狙う」とのタイトルで米国のP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)がアクティビストの標的になっていたところ、P&Gでは委任状争奪戦を実施し、結果、P&Gが辛勝したとの報道が大きく掲載されていました。 カリフォ…

大学年金基金等の投資ファンドへの資金流入の増加

10月5日の日経新聞で「投資ファンド膨張」との記事がありました。低金利が続く中で、年金基金などの機関投資家が高い利回りを当て込んで投資ファンドに資金を提供しているということです。 機関投資家もアセットオーナーから資金を預かり、それを運用して、…

企業の機関設計である指名委員会等設置会社の導入企業数が少ない理由

先日、あるシンクタンクの外部レポートを見たところ、米国企業と日本企業の取締役会の運営の議題についてのアンケート調査結果がありました。 日米ともに売上高が約5,000億円以上の大手企業のアンケートですが、米国企業は、戦略策定に多くの時間が割かれて…

上場企業のサクセッションプラン(後継者計画)の意義は?

先日の新聞報道で、上場企業のサクセッションプラン(後継者計画)を開示した企業が17社あるということでした。企業を見ますと、東京エレクトロン、コニカミノルタ、キヤノン、日本ユニシスなどの会社が開示しているようです。 背景は、東証の企業統治方針に…

エリオット・マネジメントによる日立国際電気株の買い増し

先日の新聞報道によれば、米ファンドのエリオット・マネジメントが日立国際電気株を買い増し、6.10%を保有しているとのことです。日立国際電気は、米ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)がTOBを行うことをだいぶ以前に公表しており、TOB価格…

域外企業による欧州企業の買収に対する欧州委員会審査の強化

欧州委員会が、域外企業による欧州企業の買収審査を強化するようです。背景としては、中国企業による欧州企業の買収が増える中、安全保障に関わるEU企業の情報の流出を防止するためです。 約半年前に欧州企業の買収規制の現状について、外資系証券会社の投資…

㈱内田洋行への投資会社による株主提案に対する取締役会の反対意見

2017年9月11日付の㈱内田洋行のプレスリリースによれば、同社の株主である株式会社ストラテジックキャピタルより、本年10月開催予定の定時株主総会にて株主提案が出されており、それに対して内田洋行の取締役会が反対意見を決議したとのことです。 2017年9…