コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

東芝の第三者割当増資と物言う株主の勢ぞろい

話題になっている東芝の増資に関して、先日、東芝の第三者割当増資の割当先が発表されました。 第三者割当増資とは、特定の既存株主に対して、新株を発行することです。これにより、バランスシートの資産の部の現金・預金が増え、これとバランスする形で純資…

政策保有株式の保有の合理性の開示の動き

11月6日の日本経済新聞に、「政策保有株の透明性確保へ 金融庁が開示巡り議論」とのタイトルがありました。 金融庁は企業統治関連の会議で政策保有株の透明性を高める施策について議論をしたようです。新聞記事では、政策保有株式は経営者の地位の安定に資す…

企業年金連合会と大手金融機関4社による集団的エンゲージメント(対話)の開始

企業年金連合会と三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行、三井住友アセットマネジメントが共同での企業とのエンゲージメント(日本語では「対話」といいます)を行うことになり、企業統治の改善などを求め、連名での書簡を年内にも投資先に送るとの…

P&Gの事例に見るアクティビストの提案と個人株主対策を考えることの重要性

11月6日の日本経済新聞の「経営の視点」において、「P&Gに求めたのは」とのタイトルでP&Gに対して米国ファンドが役員受入の提案をしたものの、結果として、本年10月の株主総会でアクティビストの提案が退かれたことについて記事がありました。株主提案が退か…

企業に埋もれた知的財産の有効活用策の検討会議

先日の新聞報道によれば、内閣府は、企業に埋もれた知的財産の有効活用策を検討するための産学連携の会議を11月16日に新設するとのことです。 先日のブログでは、この連休中に伊藤レポート2.0を読むと書きましたが、この記事も少しだけ気になりましたので、…

伊藤レポート2.0が公表

経産省より10月26日に「伊藤レポート2.0」が公表されました。以前にもブログで書きましたが、2014年に公表された一橋大学教授の伊藤氏のレポート(伊藤レポート)の第2弾になります。 経産省のホームページからレポートの紹介のページを読みますと、要する…

ISSが議決権行使ポリシーの改定案を公表

2017年10月26日にISS(議決権行使助言会社)が株主総会での議決権行使ポリシーの改定案を公表しました。 内容は2点で次のとおりです。 1.指名委員会等設置会社および監査委員会設置会社の取締役会構成要件の厳格化・ 社外取締役(独立性問わない)が1/3未…

ガバナンス改革-独立取締役の会の提言

10月16日の日本経済新聞で、「独立取締役の会」が独自のガバナンス改革案を纏めたとの記事が掲載されていました。 旭化成、IHI、旭硝子、伊藤忠商事などの大手企業の元経営トップのメンバーを中心に構成される昨年秋に結成された会のようです。主要メンバー…

書評:「企業価値を創造する会計指標入門」(ダイヤモンド社)

だいぶ以前に書評をブログに掲載しましたが、久しぶりに会計・ファイナンス関連の書籍について書いてみたいと思います。 「企業価値を創造する会計指標入門」(ダイヤモンド社 )という書籍があります。 少し古いのですが2005年に発行された書籍です。著者は…

内田洋行の株主総会での株主提案議案の賛成率

前回のブログで、10月14日(土)開催の内田洋行の定時株主総会においてストラテジックキャピタルの株主提案が否決されたことを書きましたが、定時株主総会での議決権行使結果(議案の賛成率)について、10月18日に内田洋行の臨時報告書が開示されました。 株…

内田洋行に対する株主提案の結果から考える個人株主対策の必要性

投資ファンドのストラテジックキャピタルが内田洋行の本年の株主総会において定款変更等の株主提案を出しており、先日、10月14日(土)に株主総会が開催されました(内田洋行は7月決算)。 内田洋行のホームページを見ますと、会社提案が可決され、株主提案は…

米国名門企業がアクティビストの標的になっている

10月12日の日本経済新聞で「物言う株主 名門狙う」とのタイトルで米国のP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)がアクティビストの標的になっていたところ、P&Gでは委任状争奪戦を実施し、結果、P&Gが辛勝したとの報道が大きく掲載されていました。 カリフォ…

大学年金基金等の投資ファンドへの資金流入の増加

10月5日の日経新聞で「投資ファンド膨張」との記事がありました。低金利が続く中で、年金基金などの機関投資家が高い利回りを当て込んで投資ファンドに資金を提供しているということです。 機関投資家もアセットオーナーから資金を預かり、それを運用して、…

企業の機関設計である指名委員会等設置会社の導入企業数が少ない理由

先日、あるシンクタンクの外部レポートを見たところ、米国企業と日本企業の取締役会の運営の議題についてのアンケート調査結果がありました。 日米ともに売上高が約5,000億円以上の大手企業のアンケートですが、米国企業は、戦略策定に多くの時間が割かれて…

上場企業のサクセッションプラン(後継者計画)の意義は?

先日の新聞報道で、上場企業のサクセッションプラン(後継者計画)を開示した企業が17社あるということでした。企業を見ますと、東京エレクトロン、コニカミノルタ、キヤノン、日本ユニシスなどの会社が開示しているようです。 背景は、東証の企業統治方針に…

エリオット・マネジメントによる日立国際電気株の買い増し

先日の新聞報道によれば、米ファンドのエリオット・マネジメントが日立国際電気株を買い増し、6.10%を保有しているとのことです。日立国際電気は、米ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)がTOBを行うことをだいぶ以前に公表しており、TOB価格…

域外企業による欧州企業の買収に対する欧州委員会審査の強化

欧州委員会が、域外企業による欧州企業の買収審査を強化するようです。背景としては、中国企業による欧州企業の買収が増える中、安全保障に関わるEU企業の情報の流出を防止するためです。 約半年前に欧州企業の買収規制の現状について、外資系証券会社の投資…

㈱内田洋行への投資会社による株主提案に対する取締役会の反対意見

2017年9月11日付の㈱内田洋行のプレスリリースによれば、同社の株主である株式会社ストラテジックキャピタルより、本年10月開催予定の定時株主総会にて株主提案が出されており、それに対して内田洋行の取締役会が反対意見を決議したとのことです。 2017年9…

女性の社外取締役の員数増加

伊藤レポートについて週末までにしっかり読もうと思っていたのですが、ざっと目を通した程度しかできませんでしたので、伊藤レポートの内容サマリーは次回以降として、本日9月10日の日経新聞に「女性社外取締役15%増」との記事がありましたので、これについ…

企業と投資家との対話-信託銀行の本年の株主総会での議決権行使結果から

本年の株主総会での生保、機関投資家、信託銀行による議決権行使結果の集計結果が時々報道されています。つい先日の新聞報道によれば、大手信託銀行4行の総会議案(会社提案議案)への反対率が上昇し、10%台後半になったとのことです。 スチュワードシップ…

複数事業を営む企業のPERについて

9月1日の日経新聞で「業種別PERを疑え」との見出しの記事がありました。 記事を引用しますと「同じ業種でも一律の投資指標で比較しきれない『隠れ異業種』銘柄が浮かび上がる。これまでとは違った投資尺度を当てはめれば、割安と評価できる可能性もある。」…

日経IR・投資フェア2017に参加しての感想 - 講演会の内容

前回、8月26日(土)に「日経IR・投資フェア2017」に参加したことを書きましたが、今回は、その時に開催された講演会の感想について書きたいと思います。 講演はいくつかあったのですが、参加したのは、「持続的成長が可能な企業とは - ESG情報を読み解く」(…

日経IR・投資フェア2017に参加しての感想 - 中堅上場企業(中小型株)のIR説明と一般個人投資家

先日、東京ビックサイトで「日経IR・投資フェア2017」が8月25日(金)・26日(土)の2日間にわたって開催され、私は8月26日(土)に朝から参加しました。 同フェアでは伊藤ポートでお馴染みの伊藤邦雄氏(一橋大学教授)や金融庁スチュワードシップ・コードに関す…

株価の割安の判断指標(EV / EBITDA倍率、ネットキャッシュ / 時価総額比率)

前回、株価が割安か否かの判断基準として、 EV / EBITDA倍率、ネットキャッシュ / 時価総額比率について触れましたが、本日はそれについて簡単に説明いたします。 1.EV / EBITDA倍率(倍)(= EV ÷ EBITDA) これはEV(Enterprise value = 企業価値)がE…

サーベラスの西武HDの全株式売却の報道に見る企業の今後の株主政策

8月17日の日経新聞で米投資ファンドのサーベラス・グループが西武ホールディングスの保有株式全株を売却したとの報道がありました。サーベラスは2006年頃に西武HDの株式を約30%保有して、その後、色々な提案を西武HDに行ってきましたが、その後、段階的に売…

シンガポールの転職率が欧米を超える

8月18日の日経新聞の記事によれば、あるグローバル人材サービス会社の労働者意識調査の結果、「終身雇用の概念がなくなった」との回答について、ポルトガルが最多の86%で、次にシンガポール、香港などが続き、日本は米国と同水準の72%ということのようで…

ROA(総資産利益率)~ 「未来投資戦略2017」での新目標

2017年8月3日の日経新聞で「政府成長戦略、企業の稼ぐ力に別指標『ROA』」という記事がありました。 政府が本年6月に公表した成長戦略「未来投資戦略2017」で、「ROA」の改善が新目標として掲げられたようです。「未来投資戦略2017」では、大企業(TOPIX5…

書評:「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ダイヤモンド社)

本日は、ファイナンス関係の入門書について紹介させていただきます。そもそもこのブログでは読んだ本や参考になった雑誌なども当初書いていくつもりでしたが、これまで出来ていませんでしたので、はじめての書評となります。ダイヤモンド社から2008年に出版…

日経IR・投資家フェア2017が開催されます(8月26日(金)・27日(土))

先日の新聞報道によると日経平均株価を構成する225社の予想PERが14倍と低下しているとのことでした。 PERとは、株価収益率で株価を1株当たり純利益で割ることにより算出されます。米国の大統領選挙の結果が判明した11/9以来、9ヵ月ぶりの水準まで下がってい…

相談役・顧問の役割開示について東証の新制度設立の動き

8月3日の日経新聞に、2018年から東証に提出する報告書で相談役・顧問の氏名、業務内容、報酬の有無などの開示を促す方針であるとの報道がありました。 相談役・顧問に対する批判は、東芝の例を契機に議論の高まっているところであり、J・フロントリテイリン…