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経営企画担当の実務上の視点

東証1部上場企業で経営企画担当のマネージャー職にあるものです。経営・事業企画担当の立場から M&A、事業戦略、IR、戦略法務についてアカデミック+実務の視点からの気付いた点や考えることについて情報発信していきます。

必ずしも「買収防衛策=(イコール)機関投資家は反対」ではない

先日の日経新聞によれば、2017年1月~4月の期間に買収防衛策を廃止した企業数は14社になり、大きく増えているということのようです。さらに2日ほど前にも買収防衛策廃が増えているとの記事が日経新聞にまた出ていました。 買収防衛策は以前にブログで詳細…

フェア・ディスクロージャー・ルールの成立

5月17日に改正金融商品取引法の改正法が成立しました。企業が重要な情報を開示する際に公正な開示を企業に求める制度で、フェア・ディスクロージャー・ルールというものです。 上場企業は、証券会社のアナリストと個別に面談して色々と情報交換をすることが…

社外取締役を目指してはいかがでしょう

コーポレートガバナンス・コードの影響もあり、社外取締役を複数選任する上場企業も多いと思います(なお、東証の要請があるのは当然のことながら上場企業であるため、非上場企業は社外取締役の設置は不要です)。 前々から社外取締役の報酬はいくらであるの…

会社役員の巨額損害賠償リスク

4月28日の新聞報道で、オリンパスの粉飾決算事件に関して旧経営陣陣に対する株主代表訴訟の東京地裁の判決があり、590億円の賠償命令が出たとのことです。過去2番目の高額の賠償額とのことのようです。 株主代表訴訟とは、役員が会社に対して損害賠償義務を…

事業提携交渉において「将来のお別れ時」の条件も十分に検討することの重要性

4月に入って以降もほぼ時間がなく、ブログの更新が出来ていませんでしたが、3週間ぶりに更新をします。 東芝について、監査法人を変更するなどの報道や銀行から訴訟が提起されたとの報道が続いていますが、1週間ほど前に、半導体分社にあって米国ウエスタ…

株主総会の事務局の方は本質を理解して業務をしていますか?

業務でドタバタしており、2週間ぶりにブログを掲載します。さて、3月期決算の企業は、株主総会の時期が近づいていると思いますが、各社とも総会実務ご担当の方はこれから大変忙しい時期に入るのだろうと思います。私も最初の会社に入った時は、商事法務業…

相談役などによる「院制」への批判の理由

3月11日の報道報道にて、経産省の有識者検討会が「相談役」について企業が職務内容や就任の経緯などを開示すべきとする報告書を纏めたとの記事がありました。東芝の問題もあり、最近、企業の元経営トップが就任する相談役制度について強く批判される動きにあ…

持分法適用会社を保有する意義は?(2)(東芝機械の持分譲渡のケースを例に)

前回、持分法適用会社を保有する意義として①対象会社の利益を取り込むこと、②取引上のメリットを享受すること、③対象会社の敵対的買収リスクを低減することのうち、②について思うところを書いてみましたが、今回は③及び①の順番で書いてみたいと思います。ま…

持分法適用会社を保有する意義は?(1)(東芝機械の持分譲渡のケースを例に)

先日東芝が持分法適用会社として保有する東芝機械の株式の一部を売却する(20.1% のうちの18.1%)との報道がありました。持分法適用会社とは20%超の株式を保有する投資先の会社のことをいいますが、そもそも持分法適用会社(以下、対象会社と いいます)を…

会社は誰のもの?

「会社は誰のもの?」とは良く聞かれる言葉ですが、会社は株主のものでありその価値を最大化するのが会社の経営陣の役割というようなことも良く言われます。では、いったい誰のものなのでしょうか?この点についてはが学者も交えて大変深い議論もなされてお…

地銀の統合延期の報道に見る企業結合審査の重要性(たかが手続き、されど手続き)

以前より何度か新聞報道されていますが、ふくおかFGと十八銀行の統合が公正取引委員会(公取委)の企業結合審査が長引くため、2017年4月に予定していた経営統合を10月に延期するとありましたが、2月20日の新聞報道でも詳細の記事が掲載されていました。国内…

通常の配当性向とグループ会社からの配当性向の考えの違い

先日の新聞報道によれば、企業の行う配当がリーマンショック時の2倍に増えているとのことのようです。企業業績も向上して配当を増やす企業が増えているということかと思います。配当には、一般的には、自社の株式を保有する株主への中間配当、期末配当があ…

パテントトロールとは

本日はパテントトロールについて書きたいと思います。パテントトロールとは、数年前から日本でも時折耳にするようになり、知財部の方などはご存知の方も多いと思います。 最近ですと米アップル社がパテントトロールとの間で訴訟に巻き込まれ数百億円の和解金…

社外取締役の役割と適正とは

先日の新聞で、政府は未来投資会議において成長戦略の中間整理を示したとの記事がありました。この記事によれば、コーポレートガバナンス・コード改革を一段と進めることを柱にするとのことで、会議では、社外取締役などの外部の目を生かすようなことも議論…

のれんの計上と企業の損益に及ぼす影響

最近の東芝の報道でのれんの減損などが話題になっています。のれんという言葉を耳にする方も多いと思いますが、のれんとは何でしょうか。 のれんが発生するケースには、企業の買収のケースがあります。分かりやすく具体的をあげますと、例えばある企業(A社…

安定株式(安定株主)の見直しの必要性

最近、コーポレートガバナンス・コードの影響もあり、持合株式の解消の動きの中、安定株式比率というものに対して各社関心が従来より高いと思います。安定株式とは、自社の発行済株式のうち、安定して保有されている株式数でありそれを保有する株主がいわゆ…

課徴金減免制度(リニエンシー制度)の対象拡充の検討

先日、カルテルの際の企業の課徴金減免制度(リニエンシー制度)の対象を拡充する方向で検討するとの新聞報道がありました。リニエンシー制度とは日本では2006年に導入された制度で、カルテルの当事者企業であっても自己申告をすれば課徴金が免除されるとい…

会社法改正「株主提案権の乱用的行使の防止」

2月10日の新聞記事によれば、法務省が会社法の改正の検討課題を設定して検討に入ったとのことでした。検討課題の目玉が株主提案権の乱用的行使の防止ということのようです。株主提案権とは、会社法上の少数株主権の1つで、議決権の1%または300個以上の…

基本的な会計・株式指標について③:PER(株価収益率)

前回のPBR(株価純資産倍率)に続いて、PER(株価収益率)について書きたいと思います。PERは、次の算式で算出されますPER=株価÷1株当たり当期純利益(株式時価総額÷当期純利益)当期純利益とは損益計算書(PL)の最後の項目にある数値で、税引前利益から…

株主総会の議決権行使の個別開示

昨日の新聞報道で三菱UFJ信託銀行が株主総会での議決権行使結果の個別開示の方針を決定し、他の機関投資家も採用する方向との報道がありました。機関投資家は多くの企業の株式を保有しており、これまでは投資先企業の株主総会での議決権行使結果については、…

基本的な会計・株式指標について②:PBR(株価純資産倍率)

前回、ROEについて話をいたしましたが引き続いて株式評価指標の1つであるPBRについて、敵対的買収のリスクを絡めて書いてみたいと思います。PBRとは株価純資産倍率のことで次の算式で算定されます。PBR(倍)=株式時価総額÷純資産(株主資本)この指標の意…

基本的な会計・株式指標について①:ROE(株主資本利益率)

最近ROE、ROA、EPSなどの会計指標、株式指標について、今更ながら日常業務においてあらためて検討する機会が多いこともあり、自分の理解の整理の意味も含めて基本的な考え方について少し書いてみたいと思います。まずはROEですが、ROE(Return on equity)と…

フェア・ディスクロージャー制度

先日の新聞報道によれば、企業統治分野でのルール改正動向として日本スチュワーシップ・コードの改定、監査人ガバナンスコードの導入、金融商品取引法の改正(フェア・ディスクロージャールールの導入)、17年度税制改正とありました。 この中でフェア・ディ…

ESG投資とは

2016年12月17日の日経新聞にESGマネー取り込みという記事がありました。最近のホットな話題として、「ESG投資」があります。 ESG投資とは、環境(environment)、社会(social)、統治(governance)に取り組む企業を選んで投資するというものです。日経新聞の記…

企業買収防衛策とは④

15%~20%以上の株式を取得する場合には、買収防衛策の適用がありますが、これを下回る株式取得の場合には、買収防衛策の適用はありません。なお、買収者が海外投資家の場合であっても対象の日本企業が買収防衛策を導入している場合には、買収防衛策の遵守…

企業買収防衛策とは③

上場会社に対する買収防衛策としての買収防衛策について書きたいと思います。 買収防衛策の正式名称は会社によって様々ですが、「大量買付行為に対する対抗策」、「株式の大量取得行為に関わる対応方針」などを名称を付けています。買収防衛策は、現在約450…

#7 企業買収防衛策とは②

上場会社に対する敵対的買収への対抗策として買収防衛策について話をする前に、前回簡単に触れた未上場会社に対する敵対的買収について書きたいと思います。 未上場会社の株式は市場で流通しているものではなく、また株主から相対で直接取得しようとしても、…

#6 企業買収防衛策とは①

先日、中国企業による欧州企業の買収の話を書きましたが、これに関連して企業買収の防衛策について書きたいと思います。 企業買収とは、読んで字のごとく、企業を買収することです。企業買収には、対象会社の経営陣の同意を得て行う有効的企業買収と経営陣の…

#5 統合報告書について

2016年10月25日の日本経済新聞で統合報告書を作成した会社が320社に上るとの記事がありました。背景としては海外の投資家によるESG投資への関心の高まりを受けて各社とも関心が高まっているというようなことが書かれていました。ちなみに、ESGとは、環境(En…

#4 M&Aにおける対象会社の企業価値評価(実務現場の視点から)④

前回の「その3」に続いて、対象会社の事業計画が手許にないM&Aの初期段階で、DCF法でざっくりレベルで企業価値算定を行う際の具体的な手法について書いてみたいと思います。なお、他の方の手法と比較したこともななく、ざっくりと算定するといってももう少し…

#3 M&Aにおける対象会社の企業価値評価(実務現場の視点から)③

DCF法について前回に引き続き話しをさせて頂きます。 M&Aの際には、買手が自ら、またはフィナンシャル・アドバイザーを起用して売主(=株式譲渡の場合には、対象会社のオーナー(株主))に興味のほどを伝えます。そして、売主との間で合意した場合には、秘…

#2 M&Aにおける対象会社の企業価値評価(実務現場の視点から)②

前回は、対象会社の企業価値評価方法として、①マーケット・アプローチ、②コスト・アプローチについて書きましたが、今回は、③インカム・アプローチとしてDCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)についてお話します。(前回の①、②に続いて③としておりま…

#1 M&Aにおける対象会社の企業価値評価(実務現場の視点から)①

本日から数回に分けて、M&Aの際の初期検討をする際の企業価値評価のアプローチ手法について事業会社での事業・経営企画担当としての実務を通じて気付いたところを書きたいと思います。 事業会社においてM&Aの初期検討での企業価値評価実務を通じて、書籍…