コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

外資規制の強化の動き

5月11日の日本経済新聞で、財務省と経産省がIT分野での外資による投資規制を強化する方向の動きとの報道がありました。 米欧と歩調を併せてサイバーセキュリティーを高めるとのことです。新聞報道によれば、追加される主な業種として、次があげられてい…

複数の事業セグメントを持つ上場企業は理論株価を定期的に分析することが必要 ~投資銀行でなくても出来る株価算定(バリュエーション)

有価証券報告書の改正の中、役員報酬について記載する予定でしたが、今回は簡単に別ネタについて紹介したいと思います。 5月8日の日本経済新聞朝刊で「最高益も市場は低評価」とのタイトルの記事で、ソニーの事業は8つに分かれているところ、事業別の収益…

投資会社レノの株式会社ヨロズへの株主提案に対するヨロズの会社回答はこれで足るの?

旧村上ファンド関係者の運営する投資会社のレノが株式会社ヨロズに株主提案をしていますが、それに対して先日、ヨロズが会社見解を公表しました。 本日は、その中で2つほど紹介するとともに、会社回答に対して「この回答で足るの?」と私が個人的に考える内…

2019年6月以降に発行される上場企業の有価証券報告書の見るべき改正箇所-第2回

前回の更新日からだいぶ日が空いてしまいましたが、本日は、有価証券報告書の記載の改正箇所の中、政策保有株式について紹介いたします。 従前より、有価証券報告書のコーポレートガバナンスの概要の箇所においては、政策保有株式の概要を記載することになっ…

2019年6月以降に発行される上場企業の有価証券報告書の見るべき改正箇所 - 第1回

2019年1月31日に企業内容等の開示に関する内閣府令の改正があり、有価証券報告書での開示事項が改正されました。 今回から数回に分けて、株主・個人投資家の方が、本年6月下旬以降に発行される(3月末決算期の場合)投資先企業の有価証券報告書の見…

経産省のコーポレートガバナンス改革と脱藩浪士組のCEO

LIXLが前CEOの解任を巡ってもめています。機関投資家はオーナー家の社長より、いわゆる雇われ社長の方の方が手腕があると評価しているのだと思います。 先日の「週刊ダイヤモンド」にLIXILの最高経営責任者である潮田氏のインタビュー記事が掲載されており、…

スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議の意見書(4)のドラフトが提示

金融庁のフォローアップ会議が、4月10日に開催され、意見書のドラフトが提示されました。まだドラフトですが、フォローアップ会議で今後議論していく課題が記載されております。次のような内容です。 <スチュワードシップ> 運用機関に議決権行使結果以…

CEOのしっかりとした後継者計画が必要な企業は?

コーポレートガバナンス改革において、上場企業は社長・CEOの後継者計画を指名委員会、取締役会を関与させて策定・監督することが求められています。 しかしながら、まだ計画の策定中という企業も多く、そもそもどうやって策定すべきか迷っている企業も多い…

内閣府の景気ウォッチャー調査(2019年3月調査)が公表

コーポレートガバナンス関係でCEO・社長の後継者計画について書く予定でいましたが日常の業務でマクロ経済関連のデータ収集をここ数日している関係で、後継者計画は週末に書くことにして、本日もマクロ経済関係の情報を紹介します。 今回は景気ウォッチャー…

日銀の「さくらレポート」が公表

本日の日本経済新聞に日銀の「さくらレポート」の概要の記事がありましたので、本日は、これについて少し触れたいと思います。 さくらレポートとは、日銀の支店長が四半期毎に集まり景気動向を議論し、公表するもので、「地域経済報告-さくらレポート-」と…

社外取締役ではなく中途入社社員などのマネジメント層への登用が本来のあるべき姿~経産省のCGSガイドラインを読み解く

3月期決算企業は本年の株主総会の本格準備に入っているかと思います。 2018年度は、コーポレートガバナンス・コード、コーポレートガバナンスシステムガイドライン(CGSガイドライン)の改訂などコーポレートガバナンス関連で大きな変化のあった年と思…

投資ファンドのストラテジックキャピタルの株主議決権行使基準を読みました

先日、アクティビストと言われている投資ファンドのストラテジックキャピタルパートナーズが投資先企業の蝶理の企業価値向上に関する特別ホームページを開設しました。 そこで、同社のホームページにアクセスしたところ議決権行使基準がありざっと読んでみま…

英文開示強化の動き~今後、有価証券報告書の英訳の動きも進むか?

先日の日経新聞に東証の上場基準の再編の記事がありましたが、この中で東証1部企業には英文開示を求めることを検討する方向とのことが書かれていました。 JPX日経400の銘柄登録には英文の決算短信が必要ということになっており、本年からは、英文のコ…

買収防衛策の考え方のポイント

1年ほど前に切り取った新聞記事の整理をしていたところ、買収防衛策に関する記事の切り抜きを見つけました。 3月期決算企業は総会の議案等を機関決定する時期にそろそろ入るかと思いますので、本日は、今後廃止する企業も増えることが予想される買収防衛策…

投資先銘柄のスクリーニングの基準として~日経・一橋大イノベーション指数

昨日の日経新聞に日経・一橋大イノベーション指数による企業評価ランキングが大きく2面にわたって掲載されていました。 見た方も多いとは思いますが、この指数は個人投資家が投資先企業を選別する際の1つの考えとしても使えるのではと思い、これについて本…

訪日外国人消費動向調査(2018年全国調査結果)が公表されています

先日、四季報業界地図(東洋経済新報社)の最新版を購入して投資有望な投資対象銘柄のスクリーニング作業をはじめましたが、投資テーマの1つとして、外国人関連銘柄があげられるかと思いますが、これに関して短いですが、経済データを1つ紹介します。 観光…

①自社株買いの狙いと②投資候補企業のROEの留意事項について簡単に紹介します

本日は、自社株買いと投資候補企業のROEの読み方の留意事項について紹介します(この2つのテーマはそれぞれ別の話です)。 先日の日本経済新聞で米国において自社株買いを規制する議論が起きているという記事がありました。詳しくは読んでいないのですが、…

上場子会社の役員のモチベーション維持が上場子会社を保有する大きな理由

先週、日本経済新聞に「親子上場に統治指針」との小さい記事が掲載されていました。 未来投資会議(第24回)が3月7日に開催され、そのことを言っているかと想像しますが、同会議のアジェンダを見るとモビリティーと上場子会社のコーポレートガバナンスの…

リース取引の会計基準の変更

3月8日の日本経済新聞で、リース取引に関する会計基準が変わり、リース取引が資産計上される方向との記事がありましたので、今回は、これについて少し触れてみたいと思います。 リース取引とは、貸手(レッサー)が借手(レッシー)に対し、合意されたリー…

書評「トヨトミの野望 小説・巨大自動車産業」とプラスα

このブログの目的の1つに自分が読んで面白かった書籍の紹介と自分が読んだ内容の備忘録もありますが、なかなか出来ておりませんが、今回は最近読んで面白いと感じた書籍について紹介します。 講談社から出ている「トヨトミの野望 小説・巨大自動車産業」で…

物言う株主(アクティビスト)の日本株の買い増しが増加

3月3日の日本経済新聞で物言う株主(アクティビスト)の日本株の買い増しが最高になっているという記事がありました。本日は短いですが、これについてごく簡単に触れたいと思います。 三井住友信信託銀行が投資活動を確認できる10ファンドの売買を集計し…

上場子会社を持つ親会社は今後検討すべき事項が増えます-経産省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」案より

2月26日の日本経済新聞で、上場子会社に関する指針を政府が検討開始とありました。これは、本年2月13日に討議された経産省のCGS研究会(第2期)の第14回会議で討議された「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(案)」の骨子案に書…

今後はTSR(Total shareholder return(株主総利回り))の注目度が高くなるか

TSR(Total shareholder return)という言葉について最近耳にする方も多いかと思いますが、今回はTSRについて書いてみたいと思います。 TSRとは日本語でいうと株主総利回りです。次の式で算出されます。 TSR=(株価の上昇額+1株当たり配当額) ÷…

帝国繊維の取締役会意見はもう一歩踏み込んでもよいのでは?-投資ファンドのスパークス・アセットによる株主提案

投資ファンドであるスパークス・アセット・マネジメント(以下「スパークス」)が帝国繊維(東証1部 / 3302)に1月21日に株主提案をしています。 内容は、取締役の選任、剰余金の配当及び定款の一部変更の3つになります。これに対して、2月14日…

取締役会議長を社外取締役にする意義

2月17日の日本経済新聞で、日産自動車が設置する企業統治改革の専門委員会は、日産自動車の取締役会議長を社外取締役が務めることを提言する方向で調整に入ったとの記事がありました。 今回は、社外取締役を取締役会議長にすることの意義について触れたい…

割安かつキャッシュリッチ銘柄企業に株主アクティビズムを行う際の視点②

前回2月7日のブログにおいて、アクティビズムを行う際の視点を紹介し、投資先企業への提案を検討する視点としては、次の2つをあげました。 視点① 配当増の要求視点② 株価向上施策の実施の要求 視点①については前回2月7日に書きましたが、週末に考えを整…

「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2018」の経済産業大臣賞の発表

2月1日に日本取締役協会主催の「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2018」の経済産業大臣賞をオムロンが受賞したことが経産省のホームページで公表されました。 経済産業大臣賞は今年度新たに創設された賞で、経産省のCGSガイドラインを踏まえ…

先進国でゾンビ企業が増加傾向

前回、2月7日に「割安かつキャッシュリッチ銘柄企業に株主アクティビズムを行う際の視点1」を掲載しました。 今回は、視点2の株価向上施策の実施に向けた提案について書く予定でしたが、視点2は自分自身の考えを少々整理する必要があるので、時間のある…

割安かつキャッシュリッチ銘柄企業に株主アクティビズムを行う際の視点①

昨年から割安かつキャッシュリッチ企業のスクリーニングを行い、結果、株価の低い1月に数銘柄のスモールキャップの東証1部上場企業の株式を購入しました。 3月期決算企業のため今後は本年6月の株主総会に向けて投資先企業の分析を進める予定ですが、自分…

議決権行使助言会社の2019年議決権行使ポリシーについて

先日、議決権行使助言会社であるISSとグラスルイスの方の話を聞く機会がありました。既に色々な媒体で公表されていますが、各社の2019年の議決権行使ポリシーの主な内容について少し触れてみたいと思います。 <ISSの2019年議決権行使ポリシーの変更…